市民会議の委員は、学識経験者3名・市内の各種団体から推薦された6名・公募により選ばれた市民4名・市職員1名の計14名です。(途中役職任期のため入れ替わりあり)
池田浩敬氏(委員長)
常葉大学 社会環境学部 社会環境学科教授
土居英二氏
静岡大学名誉教授(経済統計学)
静岡大学地域連携研究センター特任教授
横田恭子氏
静岡県経営管理部財務局営繕企画課主査
塚本忠司氏・早川猛氏
焼津市自治会連合会(焼津地区)
福與秀三氏
焼津市自治会連合会(大井川地区)
槇田堯氏・赤阪全七氏
焼津商工会議所
鈴木邦明氏・榊原昇次氏
大井川商工会
伊藤優氏・西川角次郎氏
焼津漁業協同組合
小林宏旨氏・石川順氏・永田實治氏
焼津市社会福祉協議会
山田敏晴氏・近藤征夫氏
加藤みゆき氏・松本実奈子氏
公募市民
池田義之氏
市職員(焼津市財政部長)
公募市民は4名に過ぎません。
他の錚々たるメンバーの中で一般市民の声が反映されたのでしょうか?
ましてや公募市民の選定にさえ、公平さを欠く過程があったとの噂もある程です。
公募市民4名が欠席した中でも、委員会が開催されたこともあったそうです。
「2年半に渡って協議を重ねてきた。この決定を尊重しないわけにはいかない。」と力説する中野市長。そこまで言うのなら、説明会にせめて池田浩敬氏は同席すべきではないのでしょうか?
【事務局】
岩谷壽夫氏(企画財政部長)
青島正幸氏(企画調整課長)
飯塚真也氏(企画調整課統括主幹)
松永達児氏(企画調整課企画調整担当技師)
筒井康史氏(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
小森清志氏(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
説明会で中野市長は「3000人にアンケートに基いて建設地を選定した」と言っています。
ではそのアンケートとはどんな内容だったのでしょうか?
■現在の本庁舎に対する感想
駐車場が足りない 45.1%
高齢者などが利用しにくい 30.9%
道路事情が悪い 28.6%
■新庁舎に望む事柄
窓口手続きがしやすいこと 70.0%
防災面に優れていること 64.3%
津波の影響を受けないこと 60.7%
■移転での重要項目
駐車場などが広いこと 66.6%
交通の利便性が良いこと 63.2%
将来の発展が期待できること 31.8%
このアンケート結果を反映した結果が「現在地」という理屈に納得できますか?
焼津市ホームページのリンクはこちら:市民会議開催状況と議事録
建設地について具体的な場所が出てきたのは第4回になって。
委員の一人のこんな意見から。
「現在の場所以外を建設計画地とするとなると、海沿いがほったらかしにされるような気分となる。津波被害を考慮しなくてもよければ、海のまち焼津としては、この場所がベストポジションであると考える。多くの人に焼津市に来ていただくことも重要であり、観光客に海に近い庁舎に来ていただくことがあってもよい。」
第8回では委員長および委員から防災面についての質問が多数出されている。
委員長「減災対策を行った後でのレベル2は浸水しないとあるが、一部懸念点がある。想定によって、被害規模は異なる。絶対安全ではない。津波被害があるとしても、執務機能や電源を上層階にもってくるなどの対策ができるが限界がある。また、防災面の課題が多ければ多い程、その対応にコストがかかる。個人意見として発言させていただいた。」
第9回の中心市街地活性化について
事務局「現庁舎が地域のにぎわいにどの程度貢献しているかについては、明確な数値は確認していないが、市職員の昼食の出前や来庁者が周辺の商店街を利用している。」
委員長「経済的なにぎわいは市役所だけではなく、焼津市民が、どんなまちづくりを進めるのかということが重要というご意見である。全体のまちづくりの中で市役所の場所を考えるというのが、ここで議論することだと思う。」
また防災面とコストについて、委員長「浸水深をどのようにとら えるか。浸水深 1.6mを考慮し、1階部分は浸水しても良いように余裕高を見込み2階までピロティにして、非常用電源や配電盤など電気設備系統を全て上階に整備すれば防災対応は可能となるが、その分コストがかかる。一方、現状のコストの表記は、浸水を想定せずコスト優位性があると評価すると整合性がとれなくなる。どちらを優先して評価すればよいのか判断に迷うことになるが、どのように考えるべきか。」
事務局「詳細のコスト検討は、候補地を絞り込んだ後に検討することとした。」
第10回の委員長意見として「現在地に建設するなら、多少コストの上昇があるかもしれないが、防災面の対策を工夫し、住民の生命や財産を守る拠点として、防災対策を積極的に 取組んだ先進事例としてアピールするくらいの考えがあってもよいのではないか。 」=現在地なら防災面でコストアップが避けられないとの認識。
第11回での委員長意見「津波対策を考えると、内陸部に建設すればリスクゼロであるにも関わらず、それを浸水域に建設するには、市民が納得できる理由を整理しておく必要がある。まちのにぎわいは重要であるが、防災面を無視しても良いわけではない。防災面でも貢献する機能を持たせることが必要ではないか。50 センチの津波は発生後 2~3 分 で到来する。最大高津波は 17~27 分で到来する。業務時間外に発災した場合は、職員はその時間内に市役所に参集するのか。実質的には参集できないため、職員が参集しないのに避難対策ができるのか。リスクの回避方法を整理しておく必要がある。庁舎は、24 時間開けておくのか。津波避難ビルは、外付けの階段を整備しておくものであり、庁舎を津 波避難ビルとして活用させるのであれば、そのために事前に準備しておく必要がある。後から防災機能を持たせるというのでは限界があり、まちづくりの利点や防災面で事前対策していることを市民に説明できるように準備しておくべきではないか。
第12回、委員長意見「現庁舎位置は津波被害を受ける可能性があるため、一時避難者が長期滞在する可能性がある。」
第13回、委員意見「現在地に仮に新築した場合、浸水被害が想定される。住民の一時避難場所となるがその具 体的なイメージはどのようになるか。」事務局回答「庁舎を活用して避難訓練を行なっている。その訓練では、本庁舎6階の 603 会議室に避難 してもらっている。屋上にあがってもらうことも考えられるが、建物内での避難である。夜間の避難のケースは、避難扉にハンマーが設置してあり、そのハンマーで扉を壊して入 ってもらうことを想定している。」
第14・15・16回では具体的な建設地の議論は行われず。
市民会議議事録の見解では、現在地では「津波のリスクは存在する」「津波対策を行う場合はコストアップは不可避」との結論。
この見解が、市の「基本構想(案)」にどのように反映されたというのでしょうか?
また全体的に事務局が方向性を主導している印象が強い。
2月20日の広報やいづ臨時号では、参加者の73%が「理解できた」「おおむね理解できた」と回答し、あたかも市民が納得したかのような表現です。しかし実際の参加者の意見のほとんどが批判的かつ疑問を投げかけるものでした。
「市長と市の言い分は理解できた」しかし「とうてい納得出来ない」が現実ではないでしょうか?
あんなに紛糾した状況から、どうしてあのような「広報やいづ臨時号」ができるのでしょうか?行政と市民との溝が、ここまで広がってしまって問題ないのでしょうか?